Small "Sob" Stories about My English | Hamamatsu English School | |||
英語と出会って半世紀。 神保昌幸の「英語と私、ちょっと切ない話」… | ||||
リリーの絵の中に… > 派生名詞 / 前置詞 / 冠詞 / 言葉の配列には決まりごとがある。英語の場合、そのひとつが「派生名詞は、その主語が of 前置詞句で表されている場合、定冠詞以外の限定詞と共起できない」という制約だ。
この制約に反することなく言葉を配列しようとすると、「春の到来」という内容を表そうとして下記のようにすることはできない。
l an arrival of spring
上記の配列では、「春のような到来物」といったような不自然な内容になる。正しくは、次のように配列する。
l the arrival of spring
言葉の配列についての決まりごとは、その習得に際し、決まりごとの内容や、従事する言語活動において求められる技能などによって対応が異なる。
この制約では、思考や感情を汲み取ろうとして、読んだり、聞いたりするといったような場合、あるいは、それらを伝えようとして、書いたり、話したりするといったような場合、制約の背後にある規則性に目を向け、他の決まりごとと関連付けながら、表現の仕組みについて理解を深めていくことになる。
その「他の決まりごと」のひとつが、中学校で学ぶ「前置詞」についての制約のひとつで、「述部修飾の前置詞句が文頭に置かれている場合、文の主語が不定名詞句であってはならない」というものだ。
この制約に反することなく言葉を配列しようとすると、下記のようにすることはできない。
l In Lilly's picture, a man found a scratch.
上記の誤った配列では、「リリーの絵の中では、ある男がかすり傷を見つけた」といった不自然な表現になる。「リリーの絵の中に、男は、かすり傷を見つけた」といった内容であれば、次のように配列する。
l In Lilly's picture, the man found a scratch.
この制約は文修飾の前置詞句には適用されないため、「リリーの絵の中では、男が馬に乗っている」という内容を表そうとして、下記のように配列することが可能だ。
l In Lilly's picture, a man is riding a horse. 何がどうなっているのか、決まりごとの中には習得にひどく手古摺(てこず)るものがある。あれこれ工夫してみるが、途方に暮れることが珍しくなく…ちょっと切ない。
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