Small "Sob" Stories about My English | Hamamatsu English School | |||
英語と出会って半世紀。 神保昌幸の「英語と私、ちょっと切ない話」… | ||||
ティファニーに… > 派生名詞 / 前置詞 / to 不定詞 / 言葉の配列には、決まりごとがある。英語の場合、そのひとつが、「派生名詞の意味上の主語が by 前置詞句で表されている場合、意味上の目的語が欠如していると非文になる」という制約だ。
この制約に反することなく言葉を配列しようとすると、下記のようにすることはできない。
l the expression by the winner
上記の配列のままでは、「その勝者がなんだか表現したということ」といった不自然な内容になる。正しくは、次のように配列する。
l the expression of beautiful sentiments by the winner
言葉の配列についての決まりごとは、その習得に際し、決まりごとの内容や、従事する言語活動において求められる技能などによって対応が異なる。
この制約では、思考や感情を汲み取ろうとして、読んだり、聞いたりするといったような場合、あるいは、それらを伝えようとして、書いたり、話したりするといったような場合、制約の背後にある規則性に目を向け、他の決まりごとと関連付けながら、表現の仕組みについて理解を深めていくことになる。
その「他の決まりごと」のひとつが、中学校で学ぶ「前置詞」についての制約のひとつで、「同一文中に、理由句が、意図句または目的句と同時に存在する場合、理由句が、意図句あるいは目的句に先行すると非文になる」というものだ。
理由句は、主節で表される行為の動機を表す句で、下記のような to 不定詞句、前置詞句のことだ。
l Aggie renovated the room (in order) to entertain her guests.
l Aggie renovated the room for the entertainmentof her guests.
意図句は、主節の目的語が果たすことを意図されたものを表す句で、下記のような to 不定詞句、前置詞句のことだ。
l Thomas used his stove to cook gourmet meals on.
l Thomas used his stove for his gourmet cooking.
目的句は、通常、移動を表す動詞と共に用いられ、主節の目的語が果たすべき役割を表す句で、下記のような to 不定詞句、前置詞句のことだ。
l Aggie took Lilly to the room to renovate the table.
l Aggie took Lilly to the room for the renovation of the table.
この制約に反することなく言葉を配列しようとすると、下記のようにすることはできない。
l Thomas used his stove for the thrill of it for his gourmet cooking.
l Thomas took Aggie to Tiffany & Company for his own amusement for her jewelry goods.
上記の誤った配列のままでは、それぞれ「トマスは、ワクワクするので料理用コンロを使ったが、実はおいしい料理を作ろうとしてのことだった」、「トマスは、自分の気晴らしにアギーを(宝飾品を扱っている)ティファニーに連れて行ったが、実は彼女が身に着ける宝飾品を求めてのことだった」といった不自然な表現になる。正しくは、次のように配列する。
l Thomas used his stove for his gourmet cooking for the thrill of it.
l Thomas took Aggie to Tiffany & Company for her jewelry goods for his own amusement. 何がどうなっているのか、決まりごとの中には習得にひどく手古摺(てこず)るものがある。あれこれ工夫してみるが、途方に暮れることが珍しくなく…ちょっと切ない。
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