Small "Sob" Stories about My English     Hamamatsu English School
 
英語と出会って半世紀。 神保昌幸の「英語と私、ちょっと切ない話」… 
 
   
     

思っていたほど…

> 命令文 / 副詞 always / 比較 / 動詞 /

言葉の配列には、決まりごとがある。英語の場合、そのひとつが、「副詞 always は命令文以外は文頭に置けない」という制約だ。

この制約に反することなく言葉を配列しようとすると、「アギーは、いつも早く起きる」という内容を表そうとして、下記のようにすることはできない。

l        Always Aggie gets up early.

上記の配列のままでは、「いつものことで改めて驚くようなことではないが、なんと驚くことにアギーは、早く起きる」といった不自然な内容になる。正しくは、次のように配列する。

l        Aggie always gets up early.

この制約は、同様に、never, rarely, seldom, ever に適用される。

また、usually, normally, often, frequently, sometimes, occasionally には適用されないため、下記のように配列することができる。

l        Often Aggie gets up early.

言葉の配列についての決まりごとは、その習得に際し、決まりごとの内容や、従事する言語活動において求められる技能などによって対応が異なる。

この制約では、思考や感情を汲み取ろうとして、読んだり、聞いたりするといったような場合、あるいは、それらを伝えようとして、書いたり、話したりするといったような場合、制約の背後にある規則性に目を向け、他の決まりごとと関連付けながら、表現の仕組みについて理解を深めていくことになる。

その「他の決まりごと」のひとつが、中学校で学ぶ「比較形」についての制約のひとつで、「叙実的述語が as 節にある比較構文 as as は、否定文にすることはできない」というものだ。

この制約に反することなく言葉を配列しようとすると、「アギーは、私が思っていたほど背が高くはない」という内容を表そうとして、下記のようにすることはできない。

l        Aggie isn't as tall as I realized.

上記の誤った配列では、「アギーは、私が理解していた客観的な事実ほど背が高くない」といった不自然な表現になる。正しくは、次のように配列する。

l        Aggie isn't as tall as I thought.

何がどうなっているのか、決まりごとの中には習得にひどく手古摺(てこず)るものがある。あれこれ工夫してみるが、途方に暮れることが珍しくなく…ちょっと切ない。

   
   
     
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